第61回 イオン反応研究会
- 日 時:
- 2013年11月23日(土) 13時~
- 会 場:
- 島津製作所関西支社マルチホール(会場定員60名)
大阪市北区芝田1-1-4 大阪梅田 阪急ターミナルビル14階
(JR大阪駅ホーム北側に隣接するビルです。阪急17番街のエレベータで14階までお越しください。)
交通アクセス:http://www.shimadzu.co.jp/aboutus/company/access/kansai.html
- 主旨:
- 「レーザー脱離イオン化による生体分子研究の最先端」
MALDI-MSによる生体分子同定は、単にタンパク質の同定だけでなく、より複雑な生命科学を解き明かすために多種多様な生体分子をイオン化しフラグメント解析するニーズが高まっている。最近では糖ペプチドのイオン化や核酸の選択的イオン化、さらにはマトリックスと重なる領域の低分子代謝物をイオン化し構造同定を行う研究などにも大きな進歩があり、これらMALDI-MS研究のさらなる応用研究への展開をイオン研究会でもディスカッションしたい。
- プログラム:
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- 13:10~13:55
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- 講師:
- 平 修 (福井県立大)
- 表題:
- ナノ微粒子質量分析(Nano-PALDI MS)による核酸の特異的イオン化
- 内容:
- ナノ微粒子をイオン化支援剤としたイオン化は広く知られている。今回、ナノ微粒子を構成する金属種を検討することで、核酸のイオン化において、核酸の塩基2個に対して、ナノ微粒子を構成するFe2+が配位した特異的なシグナルを得られることが分かった。このほか、講演では、Nano-PALDI MSの応用例について広く紹介する。
- 13:55~14:40
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- 講師:
- 杉浦 悠毅 (慶応大)
- 表題:
- on tissue 誘導体化法が実現する、微量分子のイメージング質量分析
- 内容:
- イメージング質量分析で扱う組織切片は、分離精製を行わない複雑な混合物試料である。
従って、微量分子、またはイオン化効率の低い生体分子の局在可視化はこれまで困難であった。私達はこれまでに、標的分子に特異的に作用し、イオン化効率を上昇させる誘導体化を組織切片上で行う技術を開発した。これにより、通常のイメージング質量分析では可視化が困難なアミノ酸や、微量炎症メディエーター分子の可視化に成功した。
- 休憩(20分)
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- 15:00~15:45
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- 講師:
- 西風 隆司 (島津製作所 田中最先端研究所)
- 表題:
- 負イオンを食わず嫌いしていませんか? ~糖鎖修飾の負イオン解析~
- 内容:
- 質量分析を用いた生体分子の解析のほとんどは正イオンモードで行われており、負イオンモードでの解析例は少ない。特に、中性糖鎖などの分子は負イオンに成り難いため、あえて負イオンで測ろうという発想は現実に即さないのかもしれない。しかし、このイオン化の壁を超えれば、負イオンMS/MSで得られる情報は値千金であり、正イオンMS/MSと全く異なる情報を得ることが出来る。本発表では、負イオンMS/MSを用いた糖鎖及び糖ペプチドの構造解析を中心に、負イオン測定の魅力をお伝えできればと思う。
- 15:45~16:30
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- 講師:
- 浅川大樹 (大阪府立母子保健総合医療センター研究所)
- 表題:
- MALDI In-Source Decay Mass Spectrometry, Principle and Perspective
- 内容:
- MALDI-ISDはタンパク質を酵素消化することなしに直接シークエンシング可能な手法であるが、前処理によりタンパク質を単離する必要があり、その用途は限られているのが現状である。近年の酸化反応によるMALDI-ISDを用いたフラグメントイオンを簡便に同定する方法、高分解能質量分析計の使用、および新規ソフトウエアの開発によるAnalytical Pipelineの構築により、MALDI-ISDの適用範囲は大きく広がることが期待されている。本講演では、MALDI-ISDのメカニズムを中心に、最新の研究成果について紹介する。
- 参加申込み:
- 参加希望の方は、 (1)氏名、(2)所属、(3)メールアドレス、(4)会員/非会員の別を添えて、下記メールアドレスにお申し込みください。
ion13_%_mssj.jp (送信の際は、_%_を@に変えてください)
- 参加費:
- 無 料
講演会終了後、簡単な懇親会を予定しております。懇親会に参加される方は当日会場にてお志を集めさせていただきます。
- 幹事:
- 山垣 亮 (サントリー生命科学財団)(第61回担当幹事)
菅井俊樹 (東邦大)、関本奏子(横浜市立大学)、竹内孝江 (奈良女子大)(部会長)