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会長挨拶

MSSJ 会長就任あいさつ

日本質量分析学会会長

このたび、再び日本質量分析学会会長の重責を担うこととなりました。身の引き締まる思いとともに、本学会のさらなる発展に尽力する決意を新たにしています。
日本質量分析学会は、質量分析に関する基礎から応用まで幅広い研究推進を担う学術団体です。装置開発や測定手法の高度化、生命科学・材料科学・環境科学などへの応用を通じて、科学技術の進歩と社会への貢献を目指しています。また、年一度の総合討論会に加え、部会や研究会、地域ごとに開催される関東・関西・北海道・中部・東北などの談話会による全国的な交流を展開し、学生や若手研究者を含めた多様な層の学術交流を支えています。
私が前回会長を務めた2021〜2022年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、学会運営の在り方が大きく変容した時期でした。未曾有の状況に対処すべく、「学会改革ワーキンググループ」を設置し、将来を見据えた提言を取りまとめたことは、現在の学会運営の礎になっています。近年は、石濱前会長のもと国際連携が一層推進され、2025年6月には第10回アジア–オセアニア質量分析会議(AOMSC2025)を石垣島で開催し、660名を超える研究者(うち半数が海外参加者)が集う盛会となりました。本学会の国際的な存在感が高まったことを強く誇りに思います。
しかしながら、同会議において私は重要な課題も実感しました。それは若手研究者層の厚みがまだ十分でない点です。海外から35歳未満の研究者が多く参加し活発な議論を繰り広げていた一方で、日本からの若手参加はまだ限られており、学会としての責任を強く認識しています。
この二年間において私は、「若手人材の育成」を最重要課題として掲げます。本学会が若手研究者にとって挑戦と学びの場となり、国際的に飛躍できる環境づくりに努めます。そのためにも、アカデミアと産業界の連携、国際共同研究の推進が不可欠です。若い世代が夢と希望を抱けるような学会の土壌を整えることこそ、私たちの責任であると考えています。
会員の皆様には、引き続きご指導とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

日本質量分析学会 会長
豊田 岐聡