日本質量分析学会 第74回質量分析総合討論会
会期/会場

プログラム

特別講演

齋藤嘉朗博士(国立医薬品食品衛生研究所 所長)
堀田十輔教授(テキサス・テック大学)

発表形式

  1. 基盤セッション(一般口頭発表):投稿された演題の中から、分野毎の口頭発表をプログラム委員会が選抜します。
  2. ポスター発表:ポスター発表のみを希望された演題と、基盤セッション以外の演題のポスター発表を行います。
  3. シンポジウムセッション:セッションオーガナイザーが事前に選定した口頭発表を行います。

シンポジウムセッション

■セッション名
国際シンポジウム1
■オーガナイザー
松田史生(大阪大学)

■セッション名
国際シンポジウム2
■オーガナイザー
石濱泰(京都大学)

■セッション名
ハイブリッド環境質量分析
(日本環境化学会と日本質量分析学会の共催シンポジウム)
■オーガナイザー
平田岳史(東京大学)/板井啓明(東京大学)
■開催趣旨
環境化学では様々な気体、液体、固体、エアロゾル等の様々な形態の試料から分子・元素組成(同位体組成)および化学形態情報を引き出す必要がある。分析要請の多様化にともない、より少量の試料から微量成分の情報をより高速で引き出すことが可能となり、大量大規模データに基づく議論も可能となっている。こうした急速に高度化する分析要請に対応できる分析手法の一つが質量分析法である。当該セッションでは、2025年7月に開催された環境化学会での共同セッションに引き続き、地球・環境化学を切り拓く新規質量分析技術の開発最前線を紹介する。
■キーワード
地球環境化学、ハイブリッド質量分析、高速質量分析、ロバスト分析

■セッション名
医療系セッション:疾患・生命現象を解明するために深化する質量分析
■オーガナイザー
松岡悠太(京都大学)/前川正充(東北大学)
■招待講演
磯部洋輔(理化学研究所 生命医科学研究センター メタボローム研究チーム)
■開催趣旨
質量分析法は、様々な生体分子の測定に有用であり、医薬・生命科学領域の分子解析に広く用いられてきた。低分子からタンパク質の修飾解析まで、実に多様な物理化学的性質を有するケミカルスペースを対象とする。さらに、クロマトグラフィー、誘導体化、HD交換等、前処理、ケミカルバイオロジー等の関連技術とMSを組み合わせることで、MSによって得られる生体関連分子情報はより、高度に細分化され深化すると言える。そこで、本セッションではヒトにおける生命現象の解明、疾患メカニズムの解明やバイオマーカー探索等のバイオメディカル研究をより深く推し進めていくための質量分析活用の最先端について議論することを目的とする。
■キーワード
ヒト、疾患、バイオマーカー、病態分子機構

■セッション名
質量分析オミクス
■オーガナイザー
馬場健史(九州大学)/松本雅記(新潟大学)
■招待講演
松本雅記(新潟大学)
■開催趣旨
質量分析オミクス(プロテオミクス、メタボロミクス、リピドミクス)は、質量分析(Mass Spectrometry, MS)を中核技術として、タンパク質、代謝物、脂質などの分子群を包括的に解析する研究領域である。近年、MS装置の高感度化・高速化やイオン化法・分離技術の進展、さらにはデータ解析やAI技術の導入により、オミクス研究の精度とスループットは飛躍的に向上している。本セッションでは、MSを基盤とするオミクス研究の最新動向を共有し、異分野融合による新たな分析戦略、データ統合や標準化の課題、臨床・環境・食品分野などへの応用展開を議論する。質量分析が拓く包括的生命解析の可能性とその将来展望を探る場としたい。

■セッション名
新規モダリティ医薬品研究を支える質量分析の最前線
■オーガナイザー
新保和高(味の素株式会社)/七種和美(産業技術総合研究所)
■招待講演
石井明子(国立医薬品食品衛生研究所)
■開催趣旨
近年、抗体医薬品や核酸医薬品、遺伝子治療・細胞治療など、新規モダリティを含むバイオ医薬品の開発が急速に進んでいる。これらの医薬品は従来の低分子医薬品と比べて構造や機能が複雑であり、構造解析・特性解析や動態解析において多くの課題が顕在化している。特に、品質評価や安全性の確保、作用機序の解明には、より高度で精密な分析技術が求められている。本セッションでは、質量分析を中心とした最新の分析技術が、これらの課題をどのように解決し、新規モダリティ医薬品の研究開発を支えているかを紹介するとともに、最前線の研究者による知見や今後の展望について、現状と将来展望の両面から幅広く議論する場としたい。
■キーワード
新規モダリティ、バイオ医薬品、遺伝子治療・細胞治療、構造解析・特性解析、動態解析

■セッション名
イオン化および関連技術の進展から新たな質量分析法の展開
■オーガナイザー
チェンリーチュイン(山梨大学)/関本奏子(横浜市立大学)
■開催趣旨
質量分析の発展は、イオン化およびその関連技術の進歩、ならびに気相イオン化学の理解に大きく支えられてきた。本セッションでは、エレクトロスプレー、レーザー脱離、大気圧化学イオン化などの多様なイオン化法の基礎的研究、前処理を含む関連技術の革新、さらに気相反応やクラスター形成などに関する最新の研究成果を共有する。また、これらの知見を基盤として、新たな質量分析手法や応用展開について議論することを目的とする。
■キーワード
イオン化、気相イオン反応、前処理、イオンモビリティ、新質量分析法

■セッション名
若手が拓くMS研究の新地平
■オーガナイザー
小形公亮(京都大学)/金尾英佑(京都大学)
■開催趣旨
質量分析(MS)は、分子・同位体レベルでの精密計測を可能にする強力なツールとして、生命科学から地球・惑星科学まで多様な研究分野で不可欠な役割を果たしている。しかし、科学技術の急速な進展に伴い、より高感度・高精度な計測や、新規対象への適用など、従来技術の枠を超えた革新が求められている。本シンポジウムでは、MS研究の新たな地平を拓く若手研究者による最先端の研究成果を共有し、分野横断的な議論を展開する。異なるアプローチや技術開発に取り組む若手研究者が一堂に会することで、新鮮な視点と創造的な発想の交流を促進し、次世代MS研究コミュニティの形成を目指す。本セッションが、未来のMS計測技術の発展を加速し、広く科学研究の進展に貢献する契機となることを期待する。
■キーワード
若手研究者、前処理/分離、イオン化、データ解析

■セッション名
質量分析の高度化を支える装置開発と新展開
■オーガナイザー
豊田岐聡(大阪大学)/大塚洋一(大阪大学)
■招待講演者
平田浩一(産業技術総合研究所)
■開催趣旨
質量分析の更なる発展には、材料科学、食品科学、環境科学、創薬、生命科学など、幅広い分野への応用を支える装置関連技術の革新が不可欠である。特に、分析対象の多様化や高感度・高分解能化への要求が高まる中で、新規技術の研究開発が求められている。本シンポジウムでは、質量分析装置技術の最新動向と将来展望を議論することを目的とする。クロマトグラフィー、イオン光学、イオン化法、イオン分離、フラグメンテーション、検出器などのハードウェア開発、これらを統合したハイフネーテッド質量分析技術、さらに装置と高度に連携する制御・解析ソフトウェアの進展などに焦点を当てる。これらの領域に携わる研究者が会し、装置技術の課題と可能性を共有することで、新たな発想や分野横断的連携を促進し、次世代の質量分析技術の方向性を共に展望する場としたい。
■キーワード
装置開発、イオン化、イオン光学系、前処理法、ソフトウェア開発

■セッション名
生命科学研究における質量分析データサイエンス
■オーガナイザー
津川裕司(東京農工大学)
■開催趣旨
ゲノム研究と同様に、論文発表時に質量分析データを公共リポジトリへ登録することは、今や研究の標準的な慣行となりつつある。日本においても、MB-POST、MetaboBank、jPOST、GlycoPOSTなどのリポジトリが整備され、質量分析に基づく各種オミクスデータの保存・共有基盤が充実してきた。一方で、リポジトリに蓄積されたデータは、単なる保管・共有にとどまらず、再利用によって初めてその真価を発揮する。すなわち、既存データから新たな知見(Knowledge)を導き出すための研究が今後ますます重要となる。本シンポジウムでは、質量分析データをインプットとして、スペクトル情報・生体分子情報・発現情報などのKnowledgeをいかに抽出し、利活用していくかに焦点を当て、最新の取り組みと今後の展望について討論する。
■キーワード
オミクス、スペクトルデータ、リポジトリ、データベース、再解析

基盤セッション

オミクス、イメージング、材料、同位体分析・宇宙地球科学、インフォマティクス、質量分析技術、若手(国際)

  • 口頭発表:公募から選出します。