日本質量分析学会 第68回質量分析総合討論会会

プログラム

討論会タイムテーブル

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特別講演

プログラム詳細

■特別講演1
八ッ橋 知幸 教授(大阪市立大学大学院理学研究科)
■特別講演2
船津 公人 教授(東京大学大学院工学系研究科)

オーラルセッション

第1日 5月11日(月)【プログラム詳細
第2日 5月12日(火)【プログラム詳細
第3日 5月13日(水)【プログラム詳細

セッション概要

オーラルセッション 1
■セッション番号
1A-O1
■セッション名
新世代のタンパク質・プロテオミクス研究
■オーガナイザー
足立淳(医薬基盤研)/川島祐介(かずさDNA研究所)
■招待講演
大竹史明(星薬科大学)
■開催趣旨
質量分析はタンパク質・プロテオミクス研究には欠かせない解析手法になり、大規模解析や個々の分子にターゲットを絞った構造機能解析では大きな期待を背負いながら分野全体を牽引し続けている。タンパク質の多様性、プロテオミクスの複雑性を乗り越えるべく、様々な技術開発とその応用例が生み出されているが、本セッションでは、質量分析がプロテオミクス、構造生物学等の分野の最先端でどのように使われており、またどのような問題を抱えているのかを議論したい。具体的には、質量分析技術の他、サンプル調製技術、定量技術、データ解析手法などに関わる研究を幅広く募集し、最新の知見を共有するとともに、今後の展望についても議論したい。
■キーワード
プロテオミクス、翻訳後修飾、タンパク活性、構造生物学
オーラルセッション 2
■セッション番号
1B-O2
■セッション名
加速器質量分析によるフェムト同位体環境動態学の創成2
■オーガナイザー
松崎浩之(東京大学)/三宅泰斗(理化学研究所)
■開催趣旨
一昨年度に引き続き、加速器質量分析によるフェムト同位体環境学を取り上げる。フェムト同位体とは、安定同位体との同位体比がフェムトレベル(1E-15)に至る希少な核種であり、宇宙線相互作用や、人為的な核反応(主に核分裂反応)によって生成される。環境試料中のフェムト同位体は、古環境・古気候変動解析に重要な役割を果たす他、大気・海洋循環のトレーサーとしても有用であり、さらにまた、人間活動が大きく地球環境に影響を与え始めた地質時代としてのアンソロポシーンを定義するための重要な指標ともなっている。本セッションでは、前回のセッション以降の技術開発・応用研究両面にわたる成果を踏まえ、今後の研究の方向性を展望する。
■キーワード
加速器質量分析、宇宙線、核分裂、フェムト同位体、環境動態、アンソロポシーン
オーラルセッション 3
■セッション番号
1C-O3
■セッション名
次世代が望むMS研究
■オーガナイザー
平修(福島大学)/田村峻佑(DHC株式会社)
■開催趣旨
本セッションは質量分析の細かい分野は問わず、若い野心的な研究者に発表いただく。質量分析の基礎、応用どちらでも、科学の発展に熱心に取り組んでいる成果を、オリジナリティーを自分の言葉で伝えたい、議論したい方を切望する。将来、Principal Investigator(P.I.)を目指す方、本発表を実績としたい野心のあるのも望ましい。
オーラルセッション 4
■セッション番号
2A-O4
■セッション名
マススペクトロメトリーイメージングの新技術と応用
■オーガナイザー
池川雅哉(同志社大学)/内藤康秀(光産業創成大学院大学)
■開催趣旨
マススペクトロメトリーイメージング(Mass Spectrometry Imaging: MSI)は、その誕生から今日まで急速に発展した分野で、計測機器開発 ・創薬・臨床医学・病理学・法医学・農学の各分野の研究者らを魅了している。このセッションでは、さまざまなイオン化法を用いた本技術の進展と応用についての討論を予定している。さまざまな分野の研究者が一同に会し、それぞれの新たな挑戦を持ち寄り、MSIにおける革新的技術や広がる応用例についての発表と討論を行う。
■キーワード
マススペクトロメトリーイメージング、基盤技術、イオン化支援、臨床科学、生化学、病理学、法医学、農学
オーラルセッション 5
■セッション番号
2B-O5
■セッション名
スペクトルデータの活用に向けて
■オーガナイザー
青木順(大阪大学)/松田史生(大阪大学)
■開催趣旨
マススペクトルデータを取得、解析、共有するための先端技術について現状を確認し、さらなるマススペクトルデータ活用に向けた今後の研究の方向性を展望する。
■キーワード
基盤技術、インフォマティクス、MassBank
オーラルセッション 6
■セッション番号
2A-O6
■セッション名
国際化へ向けた分野横断的セッション(英語講演)
■オーガナイザー
宮下正弘(京都大学)/石濱泰(京都大学)/新間秀一(大阪大学)
■基調講演
Kwang Pyo Kim(Kyung Hee University)/和⽥芳直(大阪母子医療センター)
■開催趣旨
このセッションは、質量分析討論会の国際化の促進を目的としたものであり、すべての発表・討論は英語によって行われる。内容は分野横断的なものとなるように、質量分析に関する幅広い研究対象の講演を募集する。特に海外からの参加を期待している。
■キーワード
分野横断、国際、アジア・オセアニア
オーラルセッション 7
■セッション番号
2C-O7
■セッション名
天然物・食品成分の定性・定量分析を支える質量分析
■オーガナイザー
宮下正弘(京都大学)/荒武(京都大学)
■招待講演
高橋春弥(京都大学)
■開催趣旨
天然化合物はユニークな活性や構造をもつものが多く、医農薬のリード化合物として貴重な存在である。また、食品中には多くの機能性成分が含まれており、その構造決定や定量は食品の機能性を評価する上で重要である。このような食品由来成分を含む天然化合物の分析においては、質量分析計が重要な役割を果たしてきた。一方で、質量分析計だけを用いて未知化合物の構造決定を行うことは難しく、スペクトルデータベースや構造予測ソフトウェアのさらなる充実化が求められている。本セッションでは、主に天然化合物を対象とした質量分析計による機能性成分の構造決定・定量研究をはじめとして、それを支える基礎技術の開発についての研究発表を広く募集する。さらに、この分野の研究に寄与する新たな装置開発や、得られたスペクトルの解釈を支援するソフトウェアについても議論したい。
■キーワード
低分子化合物・構造決定・フラグメンテーション・生理活性・データベース
オーラルセッション 8
■セッション番号
2B-O8
■セッション名
工業材料の構造・組成解析を先導する質量分析
■オーガナイザー
川﨑英也(関西大学)/北川慎也(名古屋工業大学)
■開催趣旨
工業材料は、高分子、界面活性剤などの有機材料や、無機材料と複合化した有機無機ハイブリッド材料など多種多様である。また近年は、分子レベルでの制御を必要とするような高度な機能が要求されている。質量分析は、このように多様化・高度化した工業材料の分子情報を得るのに大きな役割を果たしている。本シンポジウムでは、材料の質量分析の発展を支える、LC-MS、MALDI-MS及び新しいイオン化法、MS/MS高分解能MSによる構造解析、イメージング質量分析による局在分布状態、前処理・分離法の開発、データ解析法など、ソフトとハードの両面について、発表していただき、工業材料の質量分析について、活発な議論とする場としたい。
■キーワード
工業材料、前処理(分離・精製)、イオン化、高分解能MS、イメージング、データ解析
オーラルセッション 9
■セッション番号
2C-O9
■セッション名
質量分析を基盤とする分子科学
■オーガナイザー
藤原亮正(大阪府立大学)/大下慶次郎(東北大学)
■招待講演
冨宅喜代一(豊田理研)
■開催趣旨
質量分析装置はイオン化、イオン分子反応、原子分子衝突、フラグメンテーションなど分子科学分野で盛んに研究されてきた過程を利用している。一方、分子科学の研究では、気相イオンの移動度分析や分光測定などに質量分析技術が活用されており、質量分析と分子科学は密接な関係を保ちながら共に発展してきた。本セッションでは、質量分析と分子科学に関わる基礎科学の理解を深め、次世代に向けた質量分析および分子科学のさらなる発展につながる議論を行いたい。
■キーワード
イオン化、イオン分子反応、原子分子衝突、フラグメンテーション
オーラルセッション 10
■セッション番号
3A-O10
■セッション名
臨床と創薬現場における実用を志向した質量分析計
■オーガナイザー
三枝大輔(東北大学)/齋藤昌良(田辺三菱製薬株式会社)
■基調講演
高瀬圭(東北大学)
■開催趣旨
質量分析計は、高感度且つ選択的に標的分子を精密に定量できることから、現在までに創薬開発を目的とした分子機能解析などの基礎研究に応用されてきた。また、臨床検体から抽出された成分の分析にも好適であることから、薬効・薬理・薬物動態解析あるいは生体内代謝物の変動解析に大きく貢献している。近年、質量分析計は、臨床現場での実用を志向した研究が増えつつあることに加え、創薬開発においても腸内細菌が産生する代謝物を標的とした研究やバイオマーカー開発など、幅広い研究で活躍している。本セッションでは、ベッドサイドや検査現場での実用化を志向した最先端臨床研究に加え、創薬開発での最新の実用例に関する講演を聞き、ライフサイエンスにおける質量分析計の発展について議論したい。
■キーワード
臨床、創薬、腸内細菌、代謝物、バイオマーカー
オーラルセッション 12
■セッション番号
3C-O12
■セッション名
同位体比で拓く宇宙・地球科学の最前線
■オーガナイザー
谷水雅治(関西学院大学)/丸岡照幸(筑波大学)
■基調講演
庄田慎矢(国立文化財機構 奈良文化財研究所)
■開催趣旨
太陽系/地球の物質は、驚くほどに同位体比がよく似ています。この特徴を利用して、同位体比のわずかな違い(0.01-0.1%)を検出することで、物質の起源や年代情報、経験した物理・化学過程(蒸発・凝縮、拡散など)を紐解くことができます。本セッションでは、「同位体で拓く宇宙・地球・環境科学の最前線」と題し、【同位体】をトレーサーとした最新の研究成果の講演を募ります。地球型惑星の起源と進化、および現在、地球表層環境で起こっているプロセスについて、相互理解を深めたいと思います。皆様の奮ってのご参加をお待ちしています。
オーラルセッション 13
■セッション番号
3A-O13
■セッション名
ノンターゲットメタボロミクスの現状と今後の課題
■オーガナイザー
和泉自泰(九州大学)/平山明由(慶応義塾大学)
■開催趣旨
近年の高分解能質量分析およびデーターマイニング技術の発展によって、様々な試料から1000種以上の代謝物ピークを一度に検出することが可能となっている。しかし、それらのピークの中で同定できる代謝物はわずか1割程度である。そのため、ノンターゲットメタボローム分析によって取得した代謝物ピークの構造推定を可能にする方法論の開発が必要である。さらに、未知代謝物の中でも、特に生理活性を持つ新規の代謝物あるいは各種バイオマーカー候補に成り得る代謝物の構造推定(同定)を進めていくことが今後のメタボロミクス研究の発展には重要である。本セッションでは、質量分析を基盤とした未知代謝物の構造推定法の現状を実例をもとに紹介するとともに、今後の課題についても討論したい。
■キーワード
ノンターゲットメタボロミクス、活性メタボロミクス、構造推定、高分解能質量分析
オーラルセッション 14
■セッション番号
3B-O14
■セッション名
生体高分子の質量分析
■オーガナイザー
石井健太郎(大阪大学)/七種和美(産総研)
■開催趣旨
生体高分子の質量分析は、断片化したペプチドレベルの分析が長らく行われてきたが、いまやタンパク質複合体やウィルスのような巨大分子をサブユニット間の相互作用を保ったまま分析することが可能になっている (native MS, ion-mobility MS, charge-detection MS)。また、水素ー重水素交換 (HDX-MS) や化学修飾を用いた質量分析により、タンパク質複合体の相互作用部位の同定も行われている。一方で、抗体医薬品をはじめとした生物製剤の分野ではペプチドマッピングをベースとしたMulti-attribute method (MAM) が提唱され、品質管理に用いられるようになってきており、生物製剤の様々な試験方法が質量分析に置き換えられていくと予想される。このような生体高分子における最新の質量分析において、質量分析がどのように用いられているのか、どのようなことまで可能になりつつあるのか、について広く演題を募り議論したい。
■キーワード
生体高分子、相互作用、ペプチドマッピング、ネイティブ MS、HDX-MS、イオンモビリティ、化学修飾、翻訳後修飾、multi-attribute method、生物製剤
オーラルセッション 15
■セッション番号
3C-O15
■セッション名
環境質量分析
■オーガナイザー
高梨啓和(鹿児島大学)/山本敦史(鳥取環境大)
■開催趣旨
環境汚染実態の把握や、環境保全技術の開発においては、組成が複雑な試料中に含まれる微量汚染物質の定量や多成分同時定量が求められる。また、環境中の未知汚染物質の探索研究や網羅的な分析においては、分子式推定、構造推定、データベースマッチングなどが求められる。こうした研究を行う上での有効な手法の一つが質量分析であり、試料の分離分析が可能であること、および高感度分析が可能であることを活かして、環境化学・環境工学の分野で普及が進んでいる。しかし、日常業務への質量分析の普及は進んだものの、研究開発への普及については発展の途上であり、さらなる情報発信が必要と考えられる。 そこで本セッションでは、研究開発の場における質量分析の応用事例を共有することを図りたい。
■キーワード
多成分一斉分析、ターゲットスクリーニング、ノンターゲットスクリーニング、構造推定

ポスター発表

第1日 5月11日(月)【プログラム詳細
第2日 5月12日(火)【プログラム詳細
第3日 5月13日(水)【プログラム詳細

ワークショップ

第3日 5月13日(水)【プログラム詳細

ワークショップ概要
■ワークショップ名
3B-O11
■セッション名
LC/MSを用いた定量分析における課題と解決事例
■オーガナイザー
佐藤太(日本ウォーターズ)/芹野武(アジレント・テクノロジー)
■招待講演
杉本直樹(国立医薬品食品衛生研究所)
■開催趣旨
LC/MSは、様々な分野において定量分析に使用されているが、分野によって定量分析に求められる精度、感度、ダイナミックレンジや検出する化合物数が異なる。それによってマトリックス効果や堅牢性、再現性などのメソッドバリデーションも、さらには定量値の基準となる標準物質、ISの選定、取り扱いも異なる。このセッションでは、ルーチン定量分析にフォーカスした内容とし、課題や解決事例を共有する。定量分析を行なっている代表的な分野として、製薬及び食品・環境分析から2名、基準となる標準物質に関して1名の招待演者が講演を行い、その後、参加者も含めて総合討論を行なう。
■キーワード
定量分析、マトリックス効果、メソッドバリデーション、堅牢性、標準物質