第14回TMS研究会講演会   講演会報告

講演中の小澤先生  第14回TMS研究講演会が4月18日(木)に東京大学山上会館にて開催されました。今回のテーマは「小澤丈夫先生退職記念講演」です。小澤先生を始め、アネルバ(株)の藤井敏博先生(元 国立環境研)と中村恵先生、日本油脂(株)の楠元研二先生、さらに前回に引き続き小松製作所(自衛隊OB)の重松正久先生にご講演頂きました。

 藤井先生、中村先生には、アルカリイオンを付着させて、ソフトにイオン化する「イオン付着質量分析法(ISMS)」についてご講演頂きました。原理、装置構成から、今回はその応用例としてポリエチレンの熱生成物分析をご紹介されました。中村先生は、2002年質量分析総合討論会でも、さらに新しい応用例(MOCVD用ガスの分析)について発表されます。
 火薬類製造メーカーである日本油脂の楠元先生には、爆薬類の種類、分析方法について詳しい解説をして頂きました。さらに、MSを使った爆薬検知装置の最新データをご紹介頂きました。
 重松先生には、前回に引き続き、陸上自衛隊時代に参加された中国黒龍江省での遺棄化学兵器処理についてのご講演を頂きました。そのとき撮影された貴重なビデオを見ながら、前回よりもさらに踏み込んだ解説をして頂きました。
 小澤先生には、47年間に亙る研究生活を振り返って、たくさんの業績の中からトピックスをピックアップしてご講演頂きました。有名な「小澤プロット」、最近の電力貯蔵用電池の開発等で議論が盛り上がり、そのまま懇親会へと雪崩込んでさらに議論を深めることができました。記念撮影

 伯東株式会社 菅原順一氏には、今回も会場の準備等でお世話になりましたことをお礼申し上げます。また、ご講演頂いた先生方、ご参加頂いた方々に深く感謝いたします。

TMS研究部会 部会長 平林由紀子