プログラム

特別講演

【プログラム詳細】
■特別講演1
Mass spectrometry for nucleic acids biophysics
Valérie Gabelica (INSERM / Univ. Bordeaux)
Abstract (provisional)
■特別講演2
細胞から組織・生命へ、その解析の変遷と質量分析
升島努(理研QBiC)
■概要
細胞一個の分析が出来、これからは、高精細に細胞から組織へ、そしてそこから生命のメカニズムを深く詳細に考える事のできる時代になろうとしている。そうした生命解析に貢献して来た質量分析法の歴史とその限界も振り返り、近未来の生命解析のあるべき姿を、期待を込めて考えて見たいと思う。

特別企画

【プログラム詳細】
■特別企画講演
分析結果に見る意外なマススペクトルをイオン化原理から検証する
講演者
平岡賢三(山梨大)
コーディネーター
本郷やよい(理研)
企画趣旨
市販機を使って様々な試料の分析に取り組む分析実務者は、分析対象や分析目的を考慮した適切な条件下で分析を行っているはずだが、時として予想外の結果の出現に戸惑う事がある。本特別企画講演では特にイオン化に関して意外な結果となったマススペクトル実例を挙げ、会場においてその検証を行う。イオン化原理に基づく視点から結果を検証することで、装置搭載のイオン源仕様とは別に実際にイオン源内で起こりうる様々なイオン化現象を読み解いていく。イオン化基礎研究から得られる知見が実務者の抱える疑問を解決する鍵になるものと期待する。
キーワード:
イオン化原理、ESI、DESI、DART、APCI
■学会委員会企画1
歴史編纂準備委員会
講演者
高岡宣雄(九大名誉教授)
和田芳直(大阪母子センター)
コーディネーター
高山光男(横浜市大)
企画趣旨
日本の質量分析の歴史編纂に向け、今回は、初代会長(1953-1964)佐々木申二氏(京大)と三代会長(1974-1982)緒方惟一氏(阪大)の足跡を、それぞれ和田芳直先生と高岡宣雄先生に語って頂き、情報の共有と議論の場を提供します。
■学会委員会企画2
「イクメン」から考えるワークライフバランス(男女共同参画推進委員会第2回ワークショップ)
講演者
川島高之(NPO法人コヂカラ・ニッポン代表)(予定)
コーディネーター
堀山志朱代(武庫川女子大)
企画趣旨
質量分析に関わる研究者や技術者が、性別に関わりなく、その個性と能力を充分に発揮できる男女共同参画社会を実現させるための諸活動を行うことを目的とし、日本質量分析学会の委員会の一つとして男女共同参画推進委員会が2012年12月1日に発足しました。第62回質量分析総合討論会では「質量分析関連企業におけるダイバーシティ・イニシアティブ」として第1回ワークショップを開催し、企業の多様な取組み、ロールモデルとなる活躍する女性を紹介いただきました。第2回ワークショップでは、子どもや家族への積極的な関わりが、仕事においてどのような効果をもたらすのか、「イクメン」から考えてみたいと思います。講演の後、双方向の話し合いを目的として、パネルディスカッションも計画しています。

受賞講演

第2日 6月18日(木)【プログラム詳細】

オーラルセッション

第1日 6月17日(水)【プログラム詳細】
第2日 6月18日(木)【プログラム詳細】
第3日 6月19日(金)【プログラム詳細】
セッション概要
■セッション名
バイオ医薬・医療領域で活躍する質量分析
■オーガナイザー
山田尚之(味の素(株))
■サブオーガナイザー
山口秀人(アステラス製薬(株))
■基調講演
橋井則貴 (国立医薬品食品衛生研究所)
■開催趣旨
古くはインスリン製剤から始まり、昨今の抗体医薬品やペプチドワクチンなど、ペプチド・タンパク質医薬品は、遺伝子組み換え技術により大きく発展した。質量分析も、その発見から創薬・製造に至るまで、重要な技術である。また、PEG化やADCなど、化学的修飾を施したタンパク質医薬品の登場により、結合数や修飾部位の構造解析など、新たな役割を担うようになった。タンパク質に留まらず、RNA・アンチセンスの研究進展により、オリゴ核酸医薬品の開発が本格化し、また、iPS細胞やES細胞の研究の著しい発展により、再生医療・細胞医療は、テーラーメイド医療の本命として期待されている。このようにバイオ医薬品・再生・細胞医療の実用化は、その複雑さゆえに越えなければならない高いハードルがいくつもあり、それを解決するために質量分析の発展は極めて重要である。現在、質量分析がどのように活躍しているのか、また、期待されている課題解決は何なのか?関係する演題を広く募集し、本セッションで議論したい。
■キーワード
バイオ医薬・医療領域で活躍する質量分析、タンパク質・核酸の一次構造から高次構造解析、機能解析、再生医療
■セッション名
生物試料ダイレクト・イオン化の試み
■オーガナイザー
山垣亮(公益財団法人サントリー生命科学財団 )
■サブオーガナイザー
関本奏子(横浜市大)
■基調講演
野並浩(愛媛大)
■開催趣旨
近年、動植物の生物試料を直接分析する試みが進んでいます。大気圧イオン化ではDART、DESIなど多様なイオン化が工夫された結果、生物の状態をできるだけ直接的にMSを行うことが可能になりました。また、生物中の代謝物の局在を直接観測する手法としてイメージングMSや一細胞MSも広く普及しており、生命科学、植物科学、食品や医療への応用分野でも研究の飛躍的な進歩へ貢献しています。しかし、さらなる高感度MSや高分解能MSの要請も高くなり、生物を簡便にMSするというニーズも高く、更なるイオン化、構造解析手法等の開発・応用が必要です。特に生理活性二次代謝物や有機低分子化合物の化学構造は多様性に富み、その構造解析を直接MSだけで行える解析手法の研究も望まれています。このセッションでは生物、食物や植物の一細胞MS、イメージングMS、アンビエントMS、プロファイリング等々、最新MSやイオン化法を駆使した研究について討論したいと思います。
キーワード:
代謝物、アンビエントMS、イメージングMS、植物、医療
■セッション名
質量分析から見た毒の世界 構造解析とその検出
■オーガナイザー
絹見朋也(産総研)
■サブオーガナイザー
神繁樹(北海道大)
■基調講演
中尾洋一(早稲田大)
■開催趣旨
「毒」はその多彩な生理作用から、古くから生命科学の重要な研究領域となってきた。この分野に質量分析が果たした役割は大きく、構造決定をはじめとして、その検出、定量への応用は質量分析の発展と密接に関わっている。本セッションでは質量分析を切り口として、天然物としての毒の構造解析、毒と薬の2つの顔をもつ薬剤や薬物の構造や検出について、毒や様々な生理活性物質の研究の昔から今まで紹介、議論できる場としたい。
キーワード:
毒、天然物化学、構造解析、生理活性物質、医薬、犯罪捜査
■セッション名
化合物自動同定ツールの実力を知る
■オーガナイザー
西岡孝明(奈良先端大)
■開催趣旨
メタボロミクスにおけるbottleneckはLC-MSで検出された化合物のうち同定できるものが限られていることである。マススペクトルのデータベース(DB)における新規代謝物のデータ増加は緩やかであり、ゲノム情報から代謝物を推定することも難しい。この状況は短期間に改善されないであろう。そこでこの解決策としてメタボロミクスでは、インフォマティクスを利用した質量分析データの様々な解析ツールが近年開発されている。例えば、高精度に測定したMS/MSデータを利用したプレカーサイオンの分子式推定ツールや、ChemSpiderやPubChemなどの化合物DBも参照した化合物同定ツールなど、である。本セッションでは、マススペクトルのデータ処理から化合物の自動同定まで、質量分析に関連した各種ツールの実力(速さと精度)や問題点について議論したい。
キーワード:
メタボロミクス、化学構造情報、インフォマティクス
■セッション名
高温質量分析の応用
■オーガナイザー
永井崇(千葉工大)
■開催趣旨
物質の高温での揮発特性や熱力学諸量は、原子力関連分野や製錬・リサイクル分野でのプラント設計およびプロセス設計に必要不可欠であり、これらを適切に測定する手法が必要である。これらの分野では、クヌーセンセル-質量分析法などが高温での蒸気種の特定、平衡蒸気圧の測定およびそれらにより得られる熱力学諸量の測定などに利用されてきた。同手法の応用方法、測定精度の向上、新たな測定方法の開発などについて議論する。
キーワード:
熱力学、状態図、製錬・リサイクル、エネルギー、原子力材料、核燃料、溶融塩
■セッション名
質量分析が切り拓く地球惑星科学の新展開
■オーガナイザー
丸岡照幸(筑波大)
■サブオーガナイザー
馬上謙一(北海道大)
■基調講演
古川善博(東北大)
■開催趣旨
質量分析は地球惑星科学には不可欠の技術である。19世紀には地球科学の対象は主要構成成分のみであったが、質量分析法の導入を契機として、その対象が微量成分や同位体比へと拡大した。このことは測定可能な情報が増えたというだけではなく、議論の質を根本的に変えることになった。特に、安定同位体比を用いた古環境解析、放射壊変生成物を利用した年代測定、希土類元素存在度パターンなどの手法は地球惑星科学に革命をもたらした。これらの例に限らず、新しい質量分析法の導入は地球惑星科学において新展開を生み出して続けている。本セッションでは質量分析法を地球惑星科学に適用した最新の講演を募り、さらに発展させるための新技術やその適用方法について討論したい。
キーワード:
同位体、微量元素、微量化学種、分子化石(化学化石)、代替指標(プロキシー)、年代学
■セッション名
質量分析におけるハードウェア技術の進展
■オーガナイザー
菅井俊樹(東邦大)
■サブオーガナイザー
全伸幸(産総研)
■開催趣旨
質量分析が活躍できる場は年々増大の傾向にあるが、その背景には質量分析装置の発展がある。そこで本セッションでは、イオン化、質量分離、モビリティー、検出器、その他のハードウェア技術の進展に関する発表を広く募集する。社会への貢献が期待できるのであれば、既成概念に捉われない自由な発想に基づく技術提案も大歓迎である。最先端のハードウェア技術に対する知見を得るとともに、質量分析の未来を想像できるような場としたい。
キーワード:
イオン化法、イオンビーム工学、質量分離、モビリティー、検出器
■セッション名
イメージング質量分析~目覚ましい発展と残された課題~
■オーガナイザー
佐藤貴弥(JEOL)
■サブオーガナイザー
藤井麻樹子(京都大)
■開催趣旨
質量分析法を用いたマッピング技術(イメージング質量分析)は、有機化合物を分子量で分離できる点において、元素分析レベルの他の分光法に比べて有利である。MALDI-MSを用いた手法は近年飛躍的に技術が向上しており、タンパク質から脂質・薬剤など幅広い有機化合物を対象とし、その応用の裾野を広げている。SIMSは、金属クラスターやアルゴンクラスターをはじめとした、新しい一次イオン源を用いたTOF-SIMSの技術開発が進み、無機物のマッピング、深さ方向分析に加えて、有機物分析への応用も盛んに検討されている。一方でこれらの技術の課題や可能性が同時に議論されることは決して多くはなかった。本セッションでは、MALDI、SIMS等、有機化合物のイメージング質量分析技術について、それぞれの特長や更なる発展のための課題について議論する。
キーワード:
イメージング質量分析、MALDI、SIMS
■セッション名
オンサイトマススペクトロメトリーの現状
■オーガナイザー
橋本雄一郎(日立)
■サブオーガナイザー
関本奏子(横浜市大)
■基調講演
豊田岐聡(大阪大)
■開催趣旨
近年、医療、セキュリティ、環境などの分野において、「オンサイト(現場)」で質量分析を行うことに対するニーズが高まってきており、現場で使うための質量分析技術も開発されつつある。そこで本シンポジウムでは、オンサイトマススペクトロメトリーのための質量分析装置やイオン化法などの開発に関する現状と将来展望、およびニーズの面からみた現状、将来展望について討論し、オンサイトマススペクトロメトリーを実現・発展させるためには何が必要かについて考える場としたい。
キーワード:
オンサイトMS、医療、セキュリティ、環境
■セッション名
基礎科学に立脚した質量分析学
■オーガナイザー
内藤康秀(光産業創成大)
■サブオーガナイザー
関本奏子(横浜市大)
■開催趣旨
質量分析で取り扱われる気相イオンの生成から検出までの過程いずれにおいても、深く掘り下げて理解するには、量子力学、反応動力学、物理化学、電気化学、熱力学、電磁気学などの基礎科学に立脚した取組みが重要である。このセッションは、質量分析を“質量分析学”という学問としてとらえ、イオン化、解離、クーロン相互作用、表面との相互作用など、質量分析における気相イオンが関わる諸問題について基礎科学に立脚して徹底的に探究することをテーマにした発表を募る。
キーワード:
基礎科学の活用、基礎研究分野への応用
■セッション名
生体高分子の機能解明を目指す質量分析を用いた構造解析
■オーガナイザー
七種和美(広島大)
■サブオーガナイザー
明石知子(横浜市大)
■基調講演
Hugh I. Kim (POSTECH)
■開催趣旨
タンパク質や核酸等の生体高分子の構造から機能を考える構造生物学では、質量分析装置の発展に伴い、質量分析を用いた研究が行われるようになってきた。製薬企業では、バイオ医薬分野の成長により、タンパク質の相互作用やタンパク質の安定性等の解析においても質量分析によるアプローチが貢献を果たしている。このセッションでは、生体高分子の機能に関わる重要な構造情報を得る目的で、質量分析を用いる研究の現状と今後の展開について議論したい。
キーワード:
生体高分子、複合体、相互作用
■セッション名
トランスレーショナルリサーチとバイオマーカー:質量分析活用のこれまでとこれから
■オーガナイザー
大橋徳子(田辺三菱製薬(株))
■サブオーガナイザー
鈴村謙一(アステラス製薬(株))
■基調講演
三枝大輔(東北大)
■開催趣旨
医薬品にはより優れた効果と、より高い安全性が求められる。さらに、治療が必要かどうか、有効性が期待できるかどうかをあらかじめ判別することは、患者様にも、医療経済の点からも極めて有用である。そのような医薬品を創出し、開発し、臨床で使用していくために、バイオマーカー(BM)の活用は必須である。これまでも、早い段階でBMを見出し、それを指標として医薬品候補を創出する取り組みは進められてきた。一方、臨床においてBMは、既に診断・治療に活用されてきている。医薬品開発におけるトランスレーショナルリサーチとは、創薬研究で選ばれた化合物を医薬品に仕上げていくための橋渡しとなる研究であり、非臨床で見出したBMを活用して治療・診断の両面で臨床応用を加速化する。あるいは臨床で得られた知見を基に、非臨床の新たな創薬・開発研究へと結びつけ、価値を向上させることである。本ワークショップでは、ターゲット探索、病態モデルの解析などの非臨床と臨床分野における活用事例についての講演を予定している。
キーワード:
バイオマーカー、トランスレーショナルリサーチ、創薬、臨床試験
■セッション名
今だからこそ見直して発展させようメタボロミクスの基盤技術
■オーガナイザー
池田和貴(理研)
■サブオーガナイザー
和泉自泰(大阪大)
■基調講演
馬場健史(大阪大)
■開催趣旨
1998年Oliver S.G.らによって提唱されたメタボロミクスは、質量分析技術の進歩に伴い、医薬、医療、食品、農業、環境などの様々な分野で広く利用されるようになってきた。近年のメタボロミクス研究の動向として、①サンプル調製法、②分析手法、③データ解析手法などの要素技術開発は一旦トーンダウンし、現状技術による応用研究が主流となりつつある。しかしながら、メタボロミクスの主眼である代謝物の総体解析を達成するためには、質量分析、および、その周辺技術のさらなる開発も必要である。本セッションでは、メタボロミクスにおける技術的課題(クエンチング手法、網羅性、定量性、再現性、検出感度、化合物同定手法、マルチオミックス解析法など)を明らかにするとともに、これらを解決するための新技術やその適応方法について討論したい。
キーワード:
メタボロミクス、技術的課題、マルチオミックス解析
■セッション名
MS技術の医療応用とその社会貢献
■オーガナイザー
中西豊文(大阪医大)
■開催趣旨
ソフトイオン化法の開発によって生命現象を司るタンパク質/核酸など高分子化合物をも解析対象となり、「ライフサイエンス」研究の発展に多大な貢献をした。それらソフトイオン化MS解析も日進月歩であり、日々進化している。しかし、実際の基礎/臨床研究および医療現場で得られるMS解析結果から結論を導出すには、まだ解決すべき問題点が山積している。そこで、ソフトイオン化MS法を用い医学/医療をはじめ、さまざまな基礎/応用研究に携わっている第一線の研究者の方々に最新情報を提供頂くと同時に、本MS技術応用の新たなブレイクスルーとなるセッションとしたい。
キーワード:
ソフトイオン化、生命科学への応用、社会貢献、定量解析、MS解析の問題提起
■セッション名
高機能性材料の研究開発に貢献する質量分析
■オーガナイザー
寺本華奈江(日本電子(株))
■サブオーガナイザー
星貴洋(日本化薬(株))
■基調講演
星貴洋(日本化薬(株))
■開催趣旨
日本の「ものづくり」の基盤となる高機能性材料の研究開発において、分析技術は構造を設計する指針として重要視されている。得られた構造、機能、および物性に対し、その根拠を化学的に分析することで研究開発の価値は一層高まるものとなる。分析手法としては、質量分析やNMRを用いた分子レベルの構造解析から電子顕微鏡や各種分光法を用いた表面分析といったものまで多岐にわたる。これらの分析には、試料と原理が異なる分析装置を用いた各分析手法の特徴を理解したうえで、目的に応じた手法を選択することが重要である。本シンポジウムでは、高機能性材料の分析について、その分野や歴史を俯瞰しつつ、質量分析が担う役割や貢献について議論をしたい。
キーワード:
高機能性材料、キャラクタリゼーション、分離、イオン化、データ処理

ポスター発表

第1日 6月17日(水)【プログラム詳細】
第2日 6月18日(木)【プログラム詳細】
第3日 6月19日(金)【プログラム詳細】

ランチョンセミナー

第1日 6月17日(水)【プログラム詳細】
第2日 6月18日(木)【プログラム詳細】
第3日 6月19日(金)【プログラム詳細】

討論会タイムテーブル

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