開催趣意書

 日本質量分析学会第65回質量分析総合討論会を、2017年5月17日(水)~19日(金)の3日間、茨城県・つくば市 つくば国際会議場を会場として開催いたします。日本質量分析学会の前身である質量分析研究会が1952年12月に創立されて以来、本討論会は、毎年、学会のメインイベントとして開催され、今回で第65回を数えることになりました。「世界で最も多く開催されている質量分析に関する学術会議」という長い歴史に裏打ちされ、日本には質の高い研究を行う研究者、高いレベルの技術者、そしてこれらの研究や技術を利用する幅広い分野のユーザーが数多く存在し、このような全ての方々が関わって、今日の日本の質量分析が築き上げられています。日本国内最大の質量分析に関する学術集会である本討論会において、様々なバックグラウンド・研究分野の多くの皆様にご参加いただき、意見交換や議論を激しく交わされることで、皆様がよい刺激を受けて、明日の研究や技術の発展、さらには新たな研究分野や応用技術の開拓に繋がるものと確信しています。

 質量分析は、地球物理から化学、生物学、さらには臨床医学の分野に至るまで幅広く関わっています。歴史的に見ても大きなニュースであった「はやぶさ」の持ち帰った粒子の分析、タンパク質を初めとする生体高分子のイオン化を利用した生命科学研究の発展とその実学での応用、材料化学の進歩に欠くことのできない分析技術、製薬業界で研究開発に必須な定性・定量分析技術、食品分析やアンチドーピングのための技術など、幅広くサイエンスに貢献しているのが質量分析です。そして大学や研究機関はもとより、多くの企業研究者・技術者に支えられているのが質量分析です。第65回質量分析総合討論会ではこれらの幅広い研究分野をカバーすべく、15のセッション(公募セッションを含む)を立てて深く討論したいと考えています。また、長尾敬介先生(韓国極地研究所 Guest Researcher)、末松誠先生(慶應義塾大学 客員教授)の2名をお招きして特別講演をいただくことも企画しております。そして、若手研究者・技術者からの積極的な参加・発表を期待し、例年通りベストプレゼンテーション賞を設け若手の奨励を行います。このようなプログラム構成により、活発な研究発表・討論を繰り広げ、「次世代へつなげ、さらなる飛躍」を目指したいと存じます。

 実行委員の総力を結集して、ご参加いただいた全ての方々が「来てよかった」と思える討論会にすべく準備を進めております。是非とも多くの皆様にお越しいただき、第65回目となる2017年度の本討論会において、多くの研究成果を発表し激しい討論を行うことで質量分析を発展させ、「次世代へつなげ、さらなる飛躍」を遂げるべく、ご協力を賜りたくよろしくお願い申し上げます。

第65回質量分析総合討論会
実行委員長 明石 知子