演題概要

ポスター発表

第3日 5月19日(金)  P会場(多目的ホール)

リン酸化代謝物負イオンの気相安定性:ATP、ADPをちゃんと測れていますか?

(1産総研2静岡県大薬)
o浅川大樹1水野初2豊岡利正2

リン酸系有機化合物は生体内におけるエネルギー代謝などに重要な役割を果たしている。このリン酸系代謝物はエレクトロスプレーイオン化質量分析法による分析が一般的に行われる。今回、我々は複数のリン酸基を含む化合物についてはエレクトロスプレーイオン化質量分析法の過程において分解が起こり、リン酸基の数を正確に計測できないこと、この分解反応はリン酸化代謝物の荷電数に依存することを明らかにした。正確な分析を行うためには、エレクトロスプレーイオン化質量分析法と液体クロマトグラフィーの併用が推奨される。質量分析による直接分析を行う場合においてはエレクトロスプレーイオン化ではなく、マトリックス支援レーザー脱離イオン化の使用が望ましいことを述べる。